乳製品の製造・販売を通じて人々の健康と豊かな生活に貢献すると共に、地球環境の保全が最重要課題の一つととらえている日本製乳株式会社。山形県を代表するお土産品として長く愛され続けている「おしどりミルクケーキ」をメインに製造・販売している企業だ。

山形県東置賜郡にある工場で、乳製品の製造で当社のカッターミキサーが使用されている。初めは他社の蒸気が入れられる小さいミキサーを使っていた。生産量が多くなり、同じようなミキサーを探した時に愛工舎にたどり着き導入に至った。その後生産する種類が増え、生産量も更に多くなり、現在では2カ所の生産ラインで120Lのカッターミキサーを3台使用。工場を見せていただくと、想像していた使い方ではなく驚いた。

1つのラインでは2台使用。その2台は左右対称に設計され、L字に配置されている。ボール容器を転倒させた時、同じ場所に内容物が取り出せ、次工程に進めるようになっている。

一方のカッターミキサーで撹拌している時に、もう一方のカッターミキサーに材料を投入する。それを交互に行う。同じ作業をするために2台使用することで、時間を無駄にすることなく、作業者一人で連続しての生産が可能になる。一つのラインで効率的に製造ができる画期的な使い方だと感じた。

撹拌後の内容物を入れるホッパーの高さに合わせるために、カッターミキサー本体に架台を付けた特注仕様。

また、重い材料の上げ下げを可能な限り少なくし、作業者の体の負担が少なく材料投入ができるように、作業員はカッターミキサーのボール容器の高さと同じ位置にある作業スペースにいる。グラフィックの操作パネルも手元にあり、2台に材料投入をし、パネルで操作するための動きは少ない水平移動のみだ。緻密な計算を元に機械も作業スペースも設置されている。

他の乳製品を製造するラインにもカッターミキサーが1台ある。そこも同じようにミキサー本体が架台でかさ上げされ、グラフィック操作パネルが手元にある。

そこで驚くのが、主制御盤がその部屋の壁に埋め込まれていることだ。主制御盤が作業場に設置されていると、どうしても作業者の動きを妨げるために埋め込んだと営業が誇らしげに話す。

このカッターミキサーの設置方法も、操作パネルの位置も現場に合わせて設計し製造した。

「現場の為にこうしてほしい」という意見をたくさんいただき、最適な方法を探し出した。時には「難しい」と思うこともあったが、日本製乳様にもアドバイスをいただき、当社営業・設計、製造部が最適な方法を考え、今の形になったと言う。現場に合わせた機械を製造することができるのは自社設計・自社製造ならではだ。

今回の取材に協力して下さった理由を聞くと、「カッターミキサーの良さが世の中に知れ渡り、ユーザー・現場の声をもっと吸い上げる機会が増えることでより良い機械になっていくことを望んでいる」とのこと。

全社を挙げて期待に応えたいと思った取材だった。

取材協力

日本製乳株式会社
所在地:山形県東置賜郡高畠町大字糠野目字高野壱694-1

HP:https://www.nihonseinyu.co.jp/

生産者と販売者がおしどりのように仲良く力を合わせ、「日本の新しい食文化をつくる」という願いを込めた「おしどりミルクケーキ」は山形県を代表するお土産品。

おしどりミルクケーキ