YANNICK

赤い屋根とかわいいフォントの「YANNICK」というロゴ、牛のオブジェや目を引くPOP。思わず吸い込まれてしまうようなかわいらしいたたずまいの店舗に入ると、更に色鮮やかな果物やクリームをあしらったケーキが並ぶ。

ロールケーキが特に人気で、店舗だけでなくコンビニエンスストアでの販売や、台北の地下鉄の駅にロールケーキを販売する自動販売機があるなど、台湾では誰もが知っている洋菓子メーカー「亞尼克(ヤニック(YANNICK) )」だ。(以下ヤニック表記)

たくさんのロールケーキ・ホールケーキ、カットケーキや焼き菓子が所せましと並ぶ、台北市内湖区の「內湖旗艦店」で創設者 吳(ゴ)会長、欧陽(オウヤン)工場長にお話を伺った。

ヤニックと言えばロールケーキ。店舗の隣にある工場で1日に2,000本のロールケーキを製造。季節のイベントがある時は16,000本を製造することもあると言う。季節によって変わるが、今は12種類を販売。そのロールケーキの生地が当社の機械で製造されている。

最初は台湾製のミキサーで製造していた。製造量が増え、粉合わせ時の体の負担を重要視した時に紹介されたのが、自社で設計・製造している当社の2軸式ヘッド昇降ミキサー「ステンレス・スーパーツインミキサー(ASM-90STH)」と、粉合わせ用ミキサー「ステンレス・フォルダーミックス(FM-90H)」だった。

人の手で合わせていた生地が機械だとどうなるのか?同じようにできるのか?半信半疑で使ってみたら、思っていた以上に動きが良いうえ混ざりも良い。人の手よりもスピードが上がり、効率よく製造できるようになったという。

職人の一人である呉会長のお気に入りの一台が「ステンレス・フォルダーミックス」だ。職人であるからこそわかる作業時の体の負担。その負担がなくなるだけでなく誰でも同じ品質の物が連続的に製造できる。

製造量を増やすことができ、買ってもらう機会が増やせた。今では、オンラインデリバリーの販売だけでなく、台北の地下鉄の構内にロールケーキを販売する自動販売機の設置も始めることができた。

地下鉄の駅でも見かけられた自動販売機。会社帰りに受け取ることも可能で好評だ。

また、ロールケーキと同じく人気なのがチーズケーキだ。

牛乳を熱して粉を合わせる工程は普通のミキサーでは難しく手間がかかっていたが、「カッターミキサー」の提案があり使うこととなった。

初めて使うカッターミキサー。高速回転で回せばどうにかなると思っていたが正解が導き出せなかった。そこで、当社研究員が現地に出向き状況を確認した。その後から泡が入らずミキシングできるようになり、均一な生地ができ上がるようになったと言う。

今では、レア・スフレ・バスク等々のチーズをベースとしたケーキだけでもたくさんの種類を製造している。

「お客様に最高のものを」をモットーにここまでたくさんのケーキを製造し販売するヤニック。呉会長に今後の展望を聞くと、新商品としてシフォン系ケーキの開発と一番人気のロールケーキの味の更なる向上を掲げていた。

今後も愛工舎の機械がヤニックの製造で役に立ち、台湾でヤニックのケーキを食べる方々の喜びにつながることを願う。

YANNICK 內湖旗艦店 にて、吳宗恩会長(左)と欧陽儒賢工場長(右)

取材協力

YANNICK  內湖旗艦店様
所在地:台北市內湖區瑞湖街178巷15號

HP:https://www.yannick.com.tw/

台北市内だけでなく、台湾全土に20店舗を展開。自動販売機やデリバリーなど、たくさんの方法で季節に合わせたケーキ・お菓子を台湾の方々にお届けしている。